『ロータリーの友』は、国際ロータリー(RI)の認可を受け、ロータリー・ワールド・マガジン・プレス(『THE ROTARIAN』とロータリー地域雑誌の総称)の一員として発行されているロータリーの地域雑誌です。
ロータリーを語る時、ロータリーを思う時、私たちの心の中には各人にとってのロータリーが広がっているはずです。一人ひとりの読み手の生き方によって読み方が異なってよいと思います。なぜ『友』を読むのか、の答えの一つがそんなところにもあるように思います。

2013年7月17日水曜日

2013年7月号のみどころ

 2013-14年度になっての第1号、表紙はロン・バートンRI会長ご夫妻の和やかな記念写真とテーマの大写し?第1号としての訴求点はしっかり押さえているものの、定番過ぎてインパクトに欠ける。1ページに片岡信彦委員長の電子版発行についての紹介で、地区代表委員の役割が記されていたが、ガバナーの代理として内容の評価や地区情報の収集に当たるという点に関しては全く光栄の至り、自覚して任務に当たっているが、ご指摘のように任務との組織的整合性は極めて脆弱で今後の対応が必要と思われる。

 ロン・バートンRI会長メッセージは、ポリオ撲滅が愈々最終章にかかった事から、その教訓として、間違いなく私たちは、世界をより良い場所に変える事が出来ると述べ、今こそ全会員が真のロータリアンに変わる節目だとし、一人ひとりの潜在能力がロータリーを動かし自分自身の人生も豊かにする。これが「ロータリーを実践しみんなに豊かな人生を」の一番大切なところだ。と解説された。闇雲に増強を重視する規定審議会の方針と裏腹のような気もするが・

 STRAIGHT SHOOTER (一徹な人)とタイトルされたロン・バートン新会長の紹介は、幸せを絵に描いたようなファミリーと穏やかな風貌。何より大切なのはパートナーシップ、特にジェタ夫人の支えが今の自分をつくってくれた、と語り、自分の家族がロータリーに関わることこそがロータリー家族を世界中に広げることになり、それこそがロータリー家族なのだ、と明言した。また穏やかな物腰に隠された一徹さの面では、妥協を許さない倫理観について、オクラホマ大学財団理事長在任中、徹底した資金管理で使途不明金は1ペニーもなく、退職から5年経っても当時の部下が全員残っていることを誇りとして伝えた。

「ガバナーの横顔」は昨年から紹介の仕方が人間性中心の文章に変わり、面白く拝読した。確かにロータリーは人材が豊富。アイデンティティ溢れるガバナーが日本中におられる。我が2730地区の大迫三郎ガバナーも例にもれず、「磨かれたいぶし銀」と表現されていた。家族を愛し、家族のサポートで任務を全うする「職業奉仕」一途なガバナー。アレッ、ロン・バートンRI会長と似ている。
 続いてRI松宮剛理事のメッセージ、規定審議会が、「会員増強につながる」と「弱いものいじめはいけない」という会場の空気に支配されていた。という報告は興味深く、「職業人としての成熟とそれに伴う誇りを獲得する事の大切さは、ロータリーにあっては揺るぐ事のない核心であり続けるでしょう」という最後の言葉が切実な願いに感じられた。同じくRI北清治理事は情報発信機能の充実を取り上げ、正しく整理された情報こそが次代を担う若者を惹きつける魅力的なクラブの創造に繋がるとされた。
 米山記念奨学会の板橋敏雄理事長はロータリー世界平和フォーラムでの米山学友の活躍を紹介し、事業紹介DVDやホームカミングを活用して直に米山学友の話を聞いて欲しいと呼び掛けた。これはロータリー世界平和フォーラムで小生も直接目にしたが、この大会での若者のパワーとコミュニケーション能力は素晴らしく、まさにロータリーの新しい形を見る思いがした。またロータリー文庫の戸田一誠委員長は2万点を超す文献資料を収蔵するロータリー文庫は宝の蔵。「ロータリー日本100年史」の編纂のための資料というだけでなく、会員が積極的に活用して初めて「宝の蔵」として輝く、HPからでも是非利用して欲しいとされた。

 次が8ページを割いた「平和はあなたから始まる」世界平和フォーラム広島の報告。田中作次RI会長の平和への思いが見事に結実した。というより恒久平和の感動的な起点となったというべきか・・。二神編集長が書いておられる通り、このイベントは従来のロータリーの会合と異なり、若者の姿が圧倒的に多く、しかもそれらの若者が運営し、発表し、討論する場が準備されていた。「プレフォーラム・ワークショップ」(ポール・ハリス・ランチョンミーティング)。そして何より感動したのは開会式と全体フォーラムであった2つの講演。一つ目は国連CIFALのアレクサンダー・メヒア氏の講演、49人ものロータリアンが国連憲章の草案に関わった事、教育、科学、文化を促進するために行ったロータリーの取り組みがユネスコの前身である事、ポリオプラスも然り、60年以上、国連の最も信頼されたパートナーとしてロータリーがあることを紹介した後、最後にシェルドンの「最も良く奉仕する者、最も多く報われる」で締めくくった。二つ目がANT-Hiroshima理事長の渡辺朋子氏の講演。航空写真で見る街は模型のようで人の気配がない。人々の営みも夢も未来も見えないのが戦争の視点と指摘、「そこに人がいる」を常に意識することが大切で、戦争と平和、破壊と再生、悲劇と希望、相反するこの二つ広島の体験は、世界の人々に、私たちは変わる事が出来る、未来を変える事が出来ることを示し、憎しみを持ったまま人生を贈るより、忘れないがすべての過去を許していくことで過ちを繰り返さない礎にしたいと訴えた。

 縦組みは「この人この仕事」がなくなり随分物足りなくなったが、その分、投稿記事が多くなり会員交流誌としての意味合いが増した。となると当地区の応募の貧弱さが目立ち、地区委員としてはその使命に目覚めねばならない。因みに今月は歌壇への奄美クラブ大野貢会員の1点のみ。頑張ります。